ビジネス茶道とは、ビジネスマンの心の落ち着きと人間力を高めるための茶会です。
7月24日 繭ごもりの茶会を催しました。
蚕が繭にこもる、人が家にこもることを意味する「繭ごもり」。
死から生への移行、再生のためには、外部から伺い知ることのできない密室の空間を必要とすることから、月に一度の茶会を心身の再生のときにしたいと考えています。
今月も暑い都会と多忙なお仕事からひと時離れた静寂の中で、一期一会の交流を深めていただきました。
参加してくださる方々に、リピーターの方も増えてきましたので、茶会の雰囲気も少しずつ作られてきました。
男性のみなさんには、あぐら座で参加していただきますが、今回は、だらしない感じにならないようなアドバイスもいただきました。
教えてくださったのは、ボディワーカーの藤本靖さんです。
「あぐらをかくときに股関節をしっかり開くことで、骨盤がしっかり立ち、背筋が伸びる」とのこと。
今まで以上に、気持ちがすっとするような場になりました。
椅子の生活が増えて、床に座ったり立ち上がったりする機会が減りました。
椅子は楽ですが、背もたれがあることも多く、まっすぐ座ることは難しくありませんが、床に座ると急に腰が落ちて背中が丸まってしまいます。
また、椅子の生活では体幹をあまり使わずに立ち座りできてしまうので、床に座ると途端に座る時と立つ時に上半身がぐらぐらしてしまいがちです。
ご自身の体に、新しい意識を向けるだけでも、眠っていた感覚が目覚めて、身体の動きもスムーズになり疲れにくい体にしていくことができます。
茶席では、みなさんのご出身地をお尋ねしながら、その土地に伝わる焼物の話などをさせていただきました。
東京でお仕事をされるみなさんですが、ご出身は千葉、広島、兵庫、福岡などいろいろなのですね。
参加者の方のご感想をご紹介します。
・茶会は初めてでしたが、一度どうしても体験してみたいと思っていました。もっと知りたいと思いました。
・亡くなった母が晩年に友人たちと研鑽を積んでいた茶道に触れることで、母の思い出を感じることができました。
・男性は女性がいると恰好つけたくなるものですが、男性だけだと安心して初心者として学ぶことができそうです。
・できれば、自分でお客様にお茶が点てられるようになるまで、稽古がしたいと思っています。
・茶碗の拝見が印象的で、それまでは茶碗を自分の目線に合わせていただいていたのに、抹茶がなくなり茶碗だけになると、茶碗の目線に合わせて体をかがめていて、茶碗に自分が見つめられてるような気分でした。
皆さんの感想から、私にとっても新しい気づきがありました。
茶道の良さは、初心者にも経験者にも、毎回必ず、新しい気づきや発見があることです。
抹茶がなくなると、茶碗は「茶を飲む器」としての機能を終えて、「茶碗」としての出会いとなり、客がその出会いを名残惜しむように拝見する時間、茶碗も人を見つめている・・・という感性。
私もこの日からは、「道具に見つめられる自分」を新しく一つ得たように思います。
自己を俯瞰して、外側から意識する目が、「茶道具」であるというイメージがなんだか楽しい気持ちになりました。
ご参加の皆様、ありがとうございました。
今月の禅語は、「清流無間断」
清流無間断 碧樹曾凋(せいりゅうかんだんなし へきじゅかつてしぼまず)
清らかな水の流れは絶えることがなく、常緑ミキの青さも衰えることがない。
常に働き続ける「清流」とは、私たちの「悟りに向かう心」「心を磨きつづける」ということなのではないでしょうか。
水の流れは止まってしまうと澱んで腐ってしまいます。
今月のお菓子は、老松「青瓢」
まだ熟していない青い瓢箪です。
青ふくべ。
青ひさご。
うらなり・・・うらなりといえば、夏目漱石の「坊ちゃん」に登場人物のあだ名として出てきますね。
来月のビジネス茶道「繭ごもり」の茶会は
2017年8月21日(月) 18時30分~20時30分
日本橋 コレド室町3「橋楽亭」
定員がございます。
ご参加ご希望の方はお問い合わせください。